回帰式の精度を向上させていく過程はまさにニューラルネットワークそのものです。
逆誤差伝播法(バックプロパゲーション)により、
人工知能計算プロセスを用いて計算式を最適化し、20%の精度向上を実現します。
これまでの眼内レンズ計算式は独特の眼光学の知識を駆使した難解な過程を経て作成されていました。眼科臨床を専門とする私たち自身が操作を加えることは実質的には不可能でした。
新しい時代が到来して、人工知能ニューラルネットワークの登場で自分達の施設に最適化された計算式を作ることが非常に簡単になりました。複数のパラメータの膨大な組み合わせを調整回帰していく方法が一般化されていてそのまま眼内レンズ計算式に適応できるのです。
回帰式の精度を向上させていく過程はまさにニューラルネットワークそのものです。逆誤差伝播法(バックプロパゲーション)によって、これまでの単純な重回帰分析とは比較にはならないほどの頻回の微調整が順行、逆行で反復施行されます。その結果として長眼軸、短眼軸を含む幅広い患者層に対して最適化された計算式に育っていくのです。
私たちの人工知能計算プロセスを用いて計算式を最適化した結果、現行で最高だとされるBarret universalⅡに比較して21%の改善を認めた施設があります。
各施設への導入・最適化を喜んでお引き受けします。20%の精度向上を実現します。
白内障手術の進歩は著しく、あらゆる外科手術の中で最も成功した手術と呼ばれます。
最近の進歩は主に多焦点眼内レンズによるものです。
10年前にツカザキ病院眼科が積極的な展開を始めた時とは比較にならない程、一般的な認知度は高くなりました。さらには通常保険診療内で使える焦点深度拡張型レンズが登場しました。国内における多焦点眼内レンズ臨床の一般化は確定しました。乱視矯正効果を持つ同タイプの多焦点眼内レンズも登場し、これまでの臨床は新しい世界に突入しています。
多焦点眼内レンズ挿入眼の屈折検査は自覚検査値で行われます。オートレフラクトメーターでは光学的に複雑な多焦点眼内レンズの屈折値を計測できないからです。多焦点レンズ挿入眼で計測されるのが自覚検査による屈折値であることは臨床的に根本的に重要な事実です。自覚検査はどうしても属人的です。さらに視力検査値は施設の医療観に全体として左右されます。
時間をかける施設、効率を重視する施設それぞれに事情が深く関係します。そのため、事前屈折ターゲットがどれほど正しかったかの基準となる屈折値の“正解”が施設毎に異なるのです。